【お知らせ】『重度訪問介護ファクトブック2026』を発行しました

このたび一般社団法人全国障害者地域生活支援事業者連絡会(全地連)は、団体として初の刊行物となる 『重度訪問介護ファクトブック2026』 を発行いたしました。本ページよりPDFを無料でダウンロードいただけます。

■ ファクトブック発行の背景

重度訪問介護は、重度の肢体不自由・知的障害・精神障害・難病のある方が、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるために欠かせない社会インフラです。現在、全国で約1万3,700人の方がこのサービスを利用しています。

一方で、サービスを必要としながらもヘルパーや事業所の不足により利用に至っていない当事者が数多く存在し、地域間での支給量のばらつき、他産業との賃金格差、深刻な人手不足など、構造的な課題が山積しているのが現状です。

こうした状況を打破し、現場の声を国や自治体へ届けながら「持続可能な制度づくり」に向けた建設的な対話を進めるためには、まず議論の土台となる 共通のファクト(事実) が不可欠です。本書は、その共通言語を業界全体に提供することを目的として制作されました。

■ ファクトブックの内容

本書は4章構成で、最新の統計データと独自調査に基づき重度訪問介護の全体像を体系的に整理しています。

  • 第1章 重度訪問介護とは 制度の概要、障害福祉サービスにおける位置づけ、歴史的経緯
  • 第2章 サービス提供体制 財源と費用、事業者の概況、収支構造、経営実態
  • 第3章 利用状況 利用者の実態、暮らし、支給量の地域間格差などの課題
  • 第4章 従事者の実態 労働市場の動向、賃金水準、労働環境、外国人材の受け入れ

費用は2026年度予算ベースで約2兆2,600億円規模に達する一方、重度訪問介護の事業所は約7,600か所で頭打ち、依頼の約7割が人手不足により受任見送り・保留となっているという土屋総合研究所の調査結果など、業界の実像を浮き彫りにする数値を多数掲載しています。

■ 本書が果たす役割

重度訪問介護は1974年の東京都の事業に端を発し、障害当事者運動とともに発展してきた制度です。2006年に国の公的サービスとして制度化されて以降も対象者拡大や入院中利用の解禁など段階的な拡充が続いていますが、 全国規模での包括的な実態把握は依然として不十分 です。

本書は、こうしたデータの空白を一定程度埋めると同時に、

  • 事業者にとっては経営判断・人材戦略の参考資料として
  • 行政・政策立案者にとっては制度設計の基礎資料として
  • 研究者・メディアにとっては正確な情報源として
  • 当事者・ご家族にとっては制度を理解する手がかりとして

幅広い関係者にご活用いただける内容となっています。

■ 今後に向けて

ファクトブックの完成は終わりではなく、ここからが始まりです。全地連は今後も官民学の連携を強化し、継続的な実態調査と検証を進めてまいります。本書が、重度訪問介護に関わるすべての皆様の連携と対話の「共通言語」となり、誰もが地域で安心して暮らせる社会の実現への一助となることを願っております。

『重度訪問介護ファクトブック2026』PDF版は、以下より無料でダウンロードいただけます。引用・参考資料としてのご利用も歓迎します。

発行: 一般社団法人 全国障害者地域生活支援事業者連絡会(全地連)
発行日: 2026年3月
制作: 土屋総研

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